LinuxにQuartusPrime Liteをインストール
Intel(Altera)のFPGA開発環境はQuartus Primeになります。Quartus Primeには、3つのエディションがありPro Edition、Standard Edition、Lite Editionという名称です。ProとStandadは有償版でそれぞれハイエンド、ミッドレンジのFPGA対応になりLiteが無償版となりローコスト版のFPGAに対応しています。
で、本記事の執筆時現在、Lite Editionはversion 20.1になっています。2020年6月にリリースされたようです。
ここではLinux Mint 18.3にQuartus Prime Lite 20.1をインストールしてみます。
Quartus Prime Liteのダウンロード
まず、Quartus Primeのダウンロードサイトに行きます。でIntelアカウントのサインインをします。ちなみにサインインしないとダウンロードできません。サインインする前に[今すぐダウンロードボタン]を押すとサインインページが表示されてサインインしたらダウンロードの選択がProになってました。気づかずダウンロードすると数時間かかり、いざインストールしようとするとProだったってことになってしまいます。
まぁダウンロード時に再度Liteを選択しなおせばいいのですが結構見落としがちになってしまいます。まぁ頻繁にインストールするものでもありませんので先にサインインしておいた方が間違わなくていいかと思います。
サインインはWebページ上の右上の人マークです。 アカウントを持っていない人は新規にアカウント登録しておく必要があります。
サインインしたら元のダウンロード画面がありますのでライト・エディションの[今すぐダウンロード(無償、ライセンス不要)]ボタンを押します。
そうすると実際にダウンロードするページに移動しますので。Lite Editionを選択していることとLinuxのラジオボタンが選択していることを確認してください。
で、その下の[一式ファイル]タブ内のダウンロードボタンをクリックしてください。ダウンロードが開始されます。環境によりますが私の環境では数分から十数分でダウンロードできました。
私がダウンロードした時点でダウンロードファイルは、
Quartus-lite-20.1.0.711-linux.tar
となっていました。これをLinux上のHome下に適当なテンポラリ的でないディレクトリを作ってこのtarファイルを移動してください。
QuartusPrime LiteのDLファイルの展開
移動したらそこでtarファイルを展開してください。
tar xvf Quartus-lite-20.1.0.711-linux.tar
展開すると以下のようなファイルが出力されます。
components/ModelSimSetup-20.1.0.711-linux.run
components/QuartusHelpSetup-20.1.0.711-linux.run
components/QuartusLiteSetup-20.1.0.711-linux.run
components/arria_lite-20.1.0.711.qdz
components/cyclone-20.1.0.711.qdz
components/cyclone10lp-20.1.0.711.qdz
components/cyclonev-20.1.0.711.qdz
components/max-20.1.0.711.qdz
components/max10-20.1.0.711.qdz
setup.sh
readme.txt
QuartusPrime Liteのインストール
展開したらsetup.shがありますので一応実行形式になっているが確認しておいてください。userにxがついてればOKです。
ls -l setup.sh
-rwxr-xr-x 1 xxxxxx xxxxxx 2880 6月 6 19:34 setup.sh
実行形式になってなければsetup.shに実行権限を付加しておいてください。
chmod u+x ./setup.sh
それではsetup.shを実行してインストールを開始しましょう。rootになる必要はありません。
./setup.sh
setup.shを実行すると以下のようなウィンドウが表示されます。
I accept the agreementを選択して[Next]を押してください。
[Next]を押してください。
インストール先の選択になります。defaultでは、homeディレクトリ下にintelFPGA_lite/20.1というディレクトリを作ってインストールするようになっています。インストール先に変更がなければそのまま[Next]を押してください。
現在のQuartusPrime Liteインストール先の設定はdefaultでintelFPGA_lite下にバージョンを付けたディレクトリを作ってインストールしていきますので次に新しいバージョンをインストールするときもintelFPGA_lite下のバージョンディレクトリになりますのでdefaultの方がバージョン管理がしやすいので問題なければdefaultが好ましいと思います。
インストールするコンポーネントの選択になります。ModelSimはFree版だけでいいという人はでそのまま[Next]を押してください。
空き容量の確認です。問題なければそのまま[Next]を押してください。
プログレッシブバーのウィンドウが開きインストールが開始されます。私の環境では数分でプログレッシブバー100%で完了しました。完了したら[Next]を押してください。
デスクトップにショートカットを作るのとすぐにインストール完了後すぐに実行してみるのにチェックが入っています。私の環境ではここにチェックが入っていてもデスクトップにショートカットが自動でできたことがありません。動作確認のためこのまま[Finish]を押してください。
一番上がQuartusPrimeのライセンスを買ってください。2つめがQuartusPrimeを実行します。3つ目が持ってるIPライセンスを追加します。ということなのでLiteをそのまま使う人は2つ目にチェックを入れて[OK] を押してください。
で、 QuartusPrime Liteが起動されるのを確認してください。
おまけ。デスクトップにショートカットを作る。
自動でショートカットを作ってくれなかったのでマニュアルで作ります。
Linuxのデスクトップ上でマウス右クリックでポップアップメニューを表示させ新しいランチャをここに作成を選択してください。
でランチャーの設定ダイアログが表示されます
Nameの欄がショートカットの表示名です。ここでは、Quartus Prime Lite20.1と入力しましたが好みの名称を入れてください。
commandの欄は、
${HOME}/intelFPGA_lite/20.1/quartus/bin/quartus
になります。${HOME}の部分はdefaultでインストールした場合のhomeディレクトリの意味と読んでください。シェル変数の${HOME}はここでは使えません。
[Browse]でインストールしたディレクトリの下の/quartus/bin/quartusを選択していけばOKです。
commentは、任意なので無くてもいいです。
左側のロケット?のマークをクリックするとアイコン画像の選択ダイアログが開いて画像ファイルの選択ができます。インストールしたディレクトリ下にアイコン用っぽい?のpngファイルがあるのでそれを選択します。
${HOME}/intelFPGA_lite/20.1/quartus/adm/quartusii.png
ここでも${HOME}の部分はdefaultでインストールした場合のhomeディレクトリの意味と読んでください。
Lancher in Terminalは、Terminalを開いてそこから起動することが選択できます。これを選択した場合に実行すると実行時開いたTerminalに Errorメッセージ関係が出力されるので異常があった場合に原因を見つけやすいメリットがあります。ここをチェックするかは好みですね。ここの例での画像ではチェックいれてませんが個人的にはTerminalから実行を選択するのが好きな方です。
[OK]ボタンを押すと、以下のダイアログが開きます。スタートメニューのその他のカテゴリーにこのランチャーを追加しますか?ってことなのでYes/No好きな方を選択してください。デスクトップにアイコンができます。
以上でLinuxのデスクトップにショートカットができます。ダブルクリックしてQuartus Prime Liteが起動するのを確認できたら完了です。
Modelsim-Alteraだけを起動するための設定
(2021.04.02追記)
Linux上でModelsim-Alteraを起動するコマンドは、vsimです。これを実行するためにPATHを通します。
.profileもしくは、.bashrcに以下の記述を追記します。(シェルがbashの場合)
PATH=$PATH:$HOME/intelFPGA_lite/20.1/modelsim_ase/linuxaloem
export PATH
これで、source .profileもしくはsource .bashrcを実行するか再ログインします。
で、ターミナルよりvsim &と入力してModelsim-Alteraが起動できますがlibXft.so.2が無い。。。的なエラーメッセージが出て起動できない場合があります。というか起動できない場合の方が多いかもです。これはlibXftのi386バージョンが入っていないためです。なのでターミナルより
sudo apt-get install libxft-dev:i386
でlibXftのi386バージョンをインストールします。再度ターミナルよりvsim &と入力すると
Modelsim-Alteraが起動できました。
追記、Quartus13sp1に関して
Cyclone IIを使う場合は、Quartus13sp1が必要になってきます。でQuartus13sp1を入れて起動しようとすると
quartus: error while loading shared libraries: libpng12.so.0: cannot open shared object file: No such file or directory
と出力され起動してくれませんでした。libpng12.so.0が無いよ、てことののようです。このときの環境は、LinuxMint20です。でlibpng12.so.0を入れるには、libpng12-0_1.2.54-1ubuntu1.1_amd64.debを探してダウンロードし
hoge$> sudo apt install ./libpng12-0_1.2.54-1ubuntu1.1_amd64.deb
とするか、wgetを使って
sudo wget -q -O /tmp/libpng12.deb http://mirrors.kernel.org/ubuntu/pool/main/libp/libpng/libpng12-0_1.2.54-1ubuntu1_amd64.deb && sudo dpkg -i /tmp/libpng12.deb && sudo rm /tmp/libpng12.deb
とコマンドラインからダウンロードとインストールをいっぺんにやる方法があります。
で起動する際、コマンドには–64bitを付ける必要があります。付けないとlinpng12.so.0を見つけることができません。
quatusの実行ファイルがあるdirectoryまで移動して実行する場合、
(13sp1はdefaultでinstallしたら、$HOME/altera/13.0sp1/quartus/bin下にあります。)
$> ./quartus --64bit
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